出口王仁三郎霊示集 -天女の舞い- 4 
2020/07/26 Sun. 10:40

----------
女性というものは、とくにそうじゃのう。ずいぶん千変万化する化けものみたいなものじゃ。
ああ、夜叉の顔というのも、あれは女性だぞ、あれは怖い。
男で、ああいう男はおらん。
口は耳まで裂け、耳はとんがり、角がはえ、目は三角でらんらんと輝いておる。
こんな恐ろしい夜叉の顔というのは、女じゃのう。
男であるなら、一生に一度や、二度は、これを経験しておるのじゃ。
ある晩、酔って帰って来ると、自分の女房が夜叉に変わっておったというのは、
これはよくあることでのう。これは怖いぞおー。
酔って夜中の二時に千鳥足で帰って来て、
「オーイ、玄関開けろ、オーイ、何で開けんのじゃ」ちゅうて、叩いてガラス割って、
なかに入って来て、また一升瓶を出して飲んだくれておると、光がパッとつく。
後ろをふっと振り向き、酔った目で見ると、そこに立っておるのは、夜叉じゃ。
口は耳まで裂け、目はらんらん、角がはえ、髪は振り乱し、そして、口を開ければ、
なかから真赤な燃えるような舌が、のぞいている。これは怖いぞ。
男はこれを経験したら、一生そのゾーッとした雰囲気を忘れることはない。
こんな夜叉というのがある。まあ、こういう夜叉は、なるべく嫁にもらわんほうがいいわ。
運悪くして、もらった人は、可哀相じゃのう。
夜叉も、まあ、観音のまた変化の姿じゃと思う以外ないのう、
そういう場合には。観音様が夜叉に化けて、お前さんを救いに来ておると思わざるを得んだろう。
まあ、そう思うことじゃ。
ああ、インドの昔話にもあるんじゃ。ある民家で、夜もう寝静まった頃に、あるいは、
皆んなで寝ようと灯を消したときに、入口をドンドンと叩く人がいる。
「何じゃ何じゃ、こんな時間に、もう夜も十二時を回っておるのに、だれじゃ」と聞くと、
「旅の者でございます」という可愛い声が聞こえる。
「うーん、女子か、うーん、若い女性のようじゃ、どうした、こんな時間に」ということで、
閂(かんぬき)をはずして開けて、女性を入れると、大層若く美しい妙齢の女性が入って来る。
「私は旅の者でございます。道に迷いました。どうか一晩泊めていただけませんでしょうか」と。
五十年輩の主人が見ると、まあ、大層美しい。
うちのかみさんに見つかったら怒られるかも知らんけど、まあ、一晩ぐらいは泊めてやりたい。
「まあ、そんなにいいところではないし、せんべい布団しかないけれども、まあ、
あなたひとりぐらい泊めてあげられんわけではないから、まあまあ、入られたり」と言ったら、
「私には、双子の妹がおります」とその美しい女性が言う。
category: 天女の舞い
« 出口王仁三郎霊示集 -天女の舞い- 5
出口王仁三郎霊示集 -天女の舞い- 3 »
コメント
| h o m e |