親鸞聖人霊示集 -悪人正機説- 4 
2020/05/01 Fri. 23:44

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総理経験者が地獄で苦しんでいる理由
親鸞が善人、悪人は、今の世で言えば、成功者と、そうでない者であります。
こう言えば、あなた方にもわかるでありましょう。
神は失敗した人と成功した人とでは、どちらを救ってくださるでしょうか。
自分の人生は失敗をしたと思っている人、一生平社員で終わった人、
会社を首になって職を転々とする人、能力を持ちながらもその芽を伸ばせずして苦しんでいる人、
あるいは、能力を持ちながらも家庭環境、病、事故など、さまざまな問題が起きて、
そのオ能を発揮できなかった人。
あるいはまた、若い人たちが今、野球というものにうち興じているが、
オ能を持った子供が、たまたま晴舞台で怪我をしたがために、
プロの選手として活躍する機会を失う。こうしたこともあるのです。
神は一体どちらをいとおしいと思われるでしょうか。
仏はどちらを救いたいと思われるでしょうか。
答えはわかっています。すなわち、世の失敗者こそ、神仏が、
両手にとって抱きしめたいと思っている人びとなのです。
悪人もまた、悩んでいる人です。悩んでいる人とは、失敗した人です。
成功した人ではありません。
成功した人びとは、自叙伝を書いたり、自分の成功談を人に話します。
「俺はこうして社長になった」と。
しかし、社長になったときに、どれだけの悪を含んでいるかです。
その人は、それをおそらく生涯反省することはないでありましょう。
そして、失敗者たち、成功しなかった人たちは、自分の人生は何とつまらない人生であったことかと思う。
一方、成功者たちは、何と素晴らしい人生であったかと、そう思ってその人生を閉じるのです。
しかし、その後の世界においてはどうでしょうか。イエスが言ったとおりです。
すなわち、イエスは、「己れを低くするものは、高くされ、己れを高くするものは、低くされる」と言いました。
そのとおりなのです。
自らの悪を見つめ、自らの弱さを見つめ、自らの悩みを見つめ続けた人こそが、
本当に神の愛を受けるにたる人間になるのです。
自らを成功者だと思い、この世的に偉いと思っている人、自分を秀れた人、
立派な人、善人だと思っているような人。こうした人たちこそ、
この世を去ったときに、反省すべきことが多いはずです。
失敗者は、この世において、すでに反省をしておるのです。
この世において、なぜ自分は失敗をしたのかということを、日夜考えているのです。
しかし、成功者は、この世においては、なぜ俺は成功したのかという点だけを、日夜考えている。
そして、あの世に還って初めて、反省を始めるのです。
世に総理大臣とかいわれる人びとも、そうです。
歴代の総理大臣のなかには、今、地獄で呻吟している者もおります。
しかし、彼らには、その理由がわかりません。
俺は、世のなかで登りつめた人間だ。日本で一番偉かった、一番の成功者だ。
その俺が、なぜ地獄にいるのかと考える。
すなわち、自らの成功のみを考え、自らの失敗を知ることが少なかったからです。
しかし、この世で自らの失敗を見つめた人は、あの世で自らの失敗を見つめ続ける必要はないのです。
一方、この世で自らの成功を追い求めた者は、あの世で自らの失敗を、
心の世界における失敗を知る必要があるのです。それがわかるまでは、反省を続けねばならんのです。
category: 悪人こそ救われる
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