スウェーデンボルグ霊示集 -天界の黙示録- 2 
2017/02/11 Sat. 14:16

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私たちの世界での会話は、かならずしも言葉で会話をするとは限りません。
もちろん言葉で会話をしたり、言葉に相当する想いを出して会話をすることもありますが、
まったく思いもかけない方法で会話をすることもあります。
そうした世界なのです。
それはひとつのインスピレーションとしてだけでは十分ではないでしょう。
もっと象徴的なものとして現われてくるのです。
たとえば、遠くに住んでいる人が、私と話をしたいとしましょう。
天上界では電話があるわけでもありません。
手紙が地上のように流通しているわけでもありません。
その世界は念いの世界です。念いによって通じ合う世界です。
この念いとは、「念」という字を書きます。
そうするとある人が、私と話をしたいというときにどういうふうにするでしょうか。
たとえば私は心地よい草原を歩いて、思索に耽っているといたしましょう。
そうすると、空を見上げると、真っ青であった空に一点、かたまりのようなものができ、
それが雲のようになってゆき、やがて渦巻きをつくってゆきます。
この渦巻きがいったい何であるのかしばらくながめていると、
そこに雲が散乱をし始め、小さな字となって現われてくることがあります。
「私はあなたと話がしたい。私は昔あなたに縁のあった者です。あなたのご助力をお願いしたい。」
こういう三行の文字が現われてまいります。
そして、その文字がしばらく浮かんでいたかと思うと、また、かき消えてゆきます。
そして、次にはその雲がまた散らばり、新たな形をつくってゆき、その人の姿になってゆきます。
雲を見つめていると、ターバンを巻いた男の姿に見えてきて、
これはどうやらサウジ・アラビアのほうに生まれた方らしいとわかります。
さらに顔を見てゆくと、次第に顔から首、肩、腕、手が出てきて、
片手にコーラン、片手に剣を持っている姿に見えてくる。
「はは-、これはマホメットが私と会いたがっているな。」
そのように私自身は解釈するわけです。
そうするとどうなるかということですが、私も表象を送ります。
その雲のかなたにある世界に対して、私はひとつの表象を送ります。
それを私はイメージで描きます。
たとえば、このようなイメージを送るのです。
向こうでも同じく空を見ているわけですから、
むこうから見るとスウェーデンボルグに送った言葉が、
メッセージが着いたかどうか、心配をしているわけです。
そうすると、マホメットは空をながめていると、
空にまた一点のかたまりができ、それが大きくなってゆきます。
そして、出てくるのは卵です。卵が出てくる。
その卵をさらに見ていると、卵が二つに割れ、中からヒヨコが出たかと思うと、
ヒヨコが急に大きくなる。
大きくなって、白鳥の姿となって、空を三回転する。そして、消える。
こういう姿になります。
マホメットはそれを見て、どうするかを考えるわけです。
まず、卵が現われたということ。
卵が出るということは、何かが始まるということを暗示している。
さらに卵が割れた。これは具体的行動を意味する。
ヒヨコが現われた。これは行動が着手されたことを意味するだろう。
さらにそれがいきなり白鳥となった。これは結論が出たことを意味する。
そして、白鳥が三回輪を描いた。
これは、出た結論にもとづいて、なんらかの答えを出そうとしていると考えるわけです。
なぜ、白鳥は三回空に輪を描いたか。マホメットは考えます。
スウェーデンボルグの心のなかは、いったい何であるのか。
「ウーン、これはおそらく、たいへん会いたいという意味ではないか。」こう感じるわけです。
-天界の黙示録- 1
-天界の黙示録- 3
category: 天界の黙示録
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